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岡山の税理士のウェブログ

解決しなくていいんです

2014-10-12

真剣に話を聞いてもらったとき、人は「自分を認めてもらった」「自分を大切にしてもらった」と感じます。

つまり人の話に耳を傾けることは、相手を認め、「あなたを大切に思っています」という気持ちを伝える行為そのものといってもいいでしょう。

人には色々な欲求がありますが、中でも「認められたい」「大切にされたい」という欲求は、欲求の段階としてかなり上のほうだとされています。

真剣に話を聞いてもらうことで「私は認められ、大切にされている」と感じるのですから、その欲求を満たしてくれた人には自然と心を開くものです。

そこで初めて「この人の言うことなら聞いてもいいかな」「この人は信用できそうだな」と、相手に対して「聞く耳」を持てるようになるのです。

お客様も例外ではありません。

お客様は自分が主役だと思っています。

ですからまずは自分の話を聞いてもらいたがっていると考えて間違いないでしょう。ところがお客様を目の前にすると、つい「解決したい願望」がむくむくと湧き上がってきませんか。

例えば、新規顧客に対して自社製品やサービスのメリットを一生懸命にアピールする。ほかも検討中だと言われたらライバル会社より優れている点を力説する。

「●●で困ってるんだよね」と聞けば、すかさず「それは要するに○○ということですよね?」とお客様の気持ちを先回りするかのように話をまとめ、さらに「そんなときは□□で△△すればよろしいですよ」とアドバイスまでして差し上げる。

なぜなら自分はプロだから、専門家だから、この分野では知識も経験も豊富だから、お客様は自分のアドバイスをほしがっているはずだから。

「お客様の悩みをぜひ解決してみせたい!」。

その気持ちはよく分かります。

しかし、いきなり「解決」というゴールを決めてみせることがお客様のためであり、お客様を大切にしている気持ちの表れであり、自分の役目を果たしたことになると考えているのなら、それは独りよがりかもしれません。

「聞いてほしいこと」で満杯のタンスには、それ以上何も入りません。

お客様に伝えたいことがあれば、まずは「聞いてほしいこと」を減らしてあげることです。

特に新規顧客とのコミュニケーションは最初が肝心です。最初は「解決」よりも「相づち」を。

「そうですか」「それは大変でしたね」とお客様に同調しながら、自分の話を素直に受け入れてもらえるよう、お客様の「聞く耳」を、あなたが自分で作っていくのです。



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