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「できない理由」を探す専門家になってはいけない

2014-09-12

ある社長が、ひょんなことからまったく異業種である親友のマッサージ店を手伝うことになったそうです。

成り行き上なんとなく始めたことですが、気がつけばマネージャーとして約10人の社員をとりまとめ、ゴチャゴチャだった経営方針を整理して、会社の方向性の舵取りをして、今では本業よりマネージャー業の方が忙しいくらいだとまんざらでもないようです。

社長は、まったく畑違いの分野にいきなり飛び込んで成果を上げた理由を、「専門家になろうとしなかったから」だと自己分析したそうです。

社長にマッサージの専門知識があれば何かとスムーズだったかもしれません。

実際、「何も知らない素人に言われたくない」という雰囲気を感じたこともあったそうです。

しかし、社長は積極的に勉強しようとはしませんでした。むしろ、社内改革には自分の素人目線が武器になると踏んでいたようです。

長らく同じ業界にいると、その業界の常識が世間の常識だと思い込んでしまいがちです。

無意識のうちに業界の固定観念が物事の判断基準になっているので、外からの意見に対しては「○○なはずだ」「○○するべきだ」と聞き入れようとしない。

つまり、専門家になればなるほど視野が狭くなるという皮肉が起こり得るのです。

専門家とは「できない理由」を探す人かもしれない。

そう感じていた社長はあえてマッサージ業界から少し距離を置き、素人目線をなくさないようにしたと言います。

そのため時には突拍子のない意見も出しますが、業界に染まっていないからこそのお客様目線のアイデアはその何倍もあるそうです。

専門家として高度な知識や技術を役立てるのは素晴らしいことですが、残念ながら「井の中の蛙」になってしまった専門家も少なくありません。

専門家になっても「できない理由」を探し始めることにならないよう、お客様目線を忘れずにまずはやってみようとする「素人のチャレンジ精神」を大事にしながら商売をしていきたいものですね。




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