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岡山の税理士のウェブログ

『舟を編む』~2013年日本映画

2014-08-07

1995年。

玄武書房営業部で変人扱いされ、もてあまされていた馬締光也(まじめみつや)は、言葉に対する天才的なセンスを見い出されて辞書編集部にスカウトされます。

おりしも辞書編集部は、新しい辞書『大渡海(だいとかい)』の編纂(へんさん)に乗り出そうとしていました。

その大きさは中型辞典で見出し語は約24万語。

完成まで15年ほどかかると見られる一大プロジェクトの編集方針は「今を生きる辞書」。

馬締は、一癖も二癖もある先輩部員たちと共に、一気に辞書編集の世界にのめり込みます。

しかし、辞書作りの作業工程はあまりに膨大で思うようには進みません。

まずは、言葉を集める用例採集から始まり、その言葉ごとにカードを作成し、対象となる言葉と使用例を記入します。

次に、集めたカードを選別して見出し語を選定。

それから各語に語義説明をつけます。

その後、組版作業(レイアウト)を経ると校正です。

辞書の校正は、内容が膨大なことと、より高度な正確性が求められるため、校の数が通常書籍の倍以上に及ぶのです。

このように日々、懸命に仕事をしつつも、馬締は下宿先の孫娘で板前修行中の林香具矢(はやしかぐや)に一目惚れをします。

ところが、なかなか想いが伝えられません。

言葉のプロのはずなのに、彼女に伝えるべき言葉を見付けることができないのです。

「こんなに好きなのに想いが伝えられない」。

そのもどかしさに恋の喜びがジワジワと伝わってきて、甘酸っぱい気持ちになれます。

言葉では伝えられないこともあるけれど、世の中にこれだけたくさんの言葉が存在しているのだから、やっぱり大切なことは自分の言葉で伝えたい。

そのようなメッセージを、観ている私たちに訴えかけているようです。

2012年本屋大賞に輝いた三浦しをんの同名小説の映画化で、「辞書」という「舟」を「編む(編集する)」辞書編集部の物語です。

その名の通り、真面目で不器用ながら懸命に辞書作りに取り組む馬締(松田龍平)の視点を通して、15年に及ぶ辞書作りの過程と香具矢(宮崎あおい)との恋を淡々と描いています。

馬締のように真面目に一生懸命に働いているのになぜか成果が上がらない。

やる気も少しずつ枯渇していく。

どんどん悪いスパイラルに入っているような気がする。だからこそ、ここから抜け出したい!そんな方には特にお勧めです。

主人公の無骨だけどコツコツと粘る姿に「自分も!」と勇気が湧いてくることでしょう。



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