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最初から「日本一ありき」 ~旭酒造から学ぶ
2014-06-24
日本酒の消費量はここ40年減少の一途を辿り、販売量は約3分の1にまで落ち込んでいるそうです。
山口県の山奥で小さな酒蔵を営んでいた『旭酒造』も例外ではなく、1984年の売上は1億円弱と倒産寸前の状態でした。
ところがこの10年間は売上を約10倍に拡大し、直近の数年は毎年、前年比130%近く業績を伸ばしながら2013年の売上は40億円弱に。
破竹の勢いで急成長を遂げた勝因は、商品ブランドを「獺祭(だっさい)」ひとつに絞り、「獺祭」の大ヒットによってブランド価値を高めたことだとされています。
経営の先行きが見えなかったとき、「売れればいい」「安ければいい」という大量販売理論で会社を建て直そうとしていたら、今の成功はなかったかもしれません。
崖っぷちの旭酒造がとった行動は、「酔うため、売るための酒ではなく、味わう酒を求めて」というコンセプトを掲げ、酒造業の原点に立ち返るべく品質重視の経営に転換したことでした。
純米大吟醸酒のみをつくるという道を選び、東京圏の大消費者層にねらいを定めた大吟醸酒の開発に取り組み、その数年後に誕生したのが「獺祭」だったのです。
まったく無名の酒蔵が「味わう酒」を求め、原料や製法のすべてにこだわり抜いた「獺祭」は、最初から「日本一ありき」で作られました。
売り手から見た「良いもの」が必ず売れるとは限りませんが、買い手から見た「良いもの」であれば消費者が放っておかないということでしょう。
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