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簡易課税の課税区分見直し~不動産業は第6種(40%)へ

2014-05-12

◆ やはり変った!不動産業のみなし仕入率

『近いうちに変わるのでは…』と言われていた簡易課税制度の不動産業の事業区分の見直しがついに行われました。

不動産業は、平成27年4月1日以後に開始する課税期間から第5種(みなし仕入率50%)から新設の第6種(40%)が適用されます。

不動産業と金融業の『みなし仕入率』が実態とかけ離れているのではという指摘は、ここ数年の財務省の調査やH24の会計検査院の報告などに上げられていました。

会計検査院(H24)は、決算書から類推した実態の課税仕入率とみなし仕入率との乖離をサンプリング調査しています。

①みなし仕入率 ・・・第4種60%・第5種50%

②簡易課税適用者の課税仕入率(推計)・・・第4種(金融等33.8%)・第5種(運輸等44.1%・サービス38.9%・不動産32.0%)

確かに不動産・金融業のみなし仕入率①と実態の課税仕入②の差は大きく見えます。

◆ 簡易課税の適用率の高い業種でもあります

他の統計では簡易課税の適用割合が高い業種として不動産業が挙げられています。

H21簡易課税の適用割合(個人・法人計)消費税申告処理・状況表(国税庁)

1.農林水産 72.2%
2.不動産  61.6%
3.金融保険 49.0%
4.飲食店  47.1%
5.サービス   45.7%

◆ 取りやすいところから取った感じ

現在、みなし仕入率が実態と乖離しているといっても、第5種創設時(H9)の国税庁の実態調査(H5)では不動産業の実態課税仕入は50%近辺の数値を示していました。

この改正で不動産業の簡易課税の納税額は税率改正も加味すると、売上×5%×(1-50%)=売上×2.5%から、売上×10%×(1-40%)=売上×6%に増えることになります。

他のサービス業も乖離が大きいですが、簡易課税適用者は元々スモール・ビジネス。

上記のように売上×3.5%(6%-2.5%)の負担増には耐えられません。

その中でも資産収入を得ている業種が狙われたということなのでしょう。



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