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おもてしかない「おもてなし」
2014-02-23
昨年の流行語大賞にも選ばれた「お・も・て・な・し」ですが、海外の方とお付き合いをする際に、「日本流おもてなし」と「外国のおもてなし」には違いがあると思います。
例えば、日本人が誰かをもてなそうとする場合には、まさに「持って成す」の語源のごとく、相手の気持ちを慮(おもんぱか)り、相手のスケジュールに合わせ、相手が喜ぶことを想像しながら、さまざまな物を用意したり準備をして差し上げます。
つまり、「相手が喜びそうなことを自分が想像してやってあげる」という「自分が主体」の考え方です。
けれど日本以外の国のほとんどは、「相手が望むことをやってあげる」ことが「もてなし」と考えられています。
自分が想像したことが相手の本当に望むことかどうか分からない、だから相手が望んだらそれに精一杯答えてあげるという「相手が主体」の考え方です。
なぜなら日本のような島国とは異なり、海外では大きな大陸の中で様々な人種が溢れています。
日本のように統一民族ではありませんので、土地も言葉も宗教も何もかもが違う場合が多いです。
その中では相手が喜びそうなことと自分が喜ぶことはまったく違うこともあるのです。
海外の「もてなし」は「Hospitality(ホスピタリティ)」と訳されます。
語源は、キリスト教徒のエルサレム巡礼のために設けられた宿泊施設「hospes(ホスペス)」から来ています。
イエス・キリストの前では、みな平等な信者で、困っている人がいれば助け合いましょうという精神です。
困っている人を助ける、というのがシンプルな目的ですから、日本の「それ以上に自分が尽くそう」とは目的が違うのですね。
ですから、海外でサービスをしてほしいときに一番大事なのは、「What I want」。
「私は○○が欲しい」「私は○○に行きたい」「○○をしたい」「○○をしてほしい」ということをはっきりと相手に伝えることです。
それがないと相手はどうしてよいか分かりません。
反対におもてなしをするときには、「何がしたいの?」「どうして
ほしいの?」をしっかりと聞くことが大切だと思います。
「おもてなし」を「表裏のないこと」と解釈する人もいるようですが、確かに海外の方には日本人の「わび・さび」のような裏の意味までくみ取れというのは大変難しいことです。
そのためぜひ表裏のないおもてなしを心掛けて成功の糸口をつかんでください。
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