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100年後を見据えた経営理念~「アスクル」から学ぶ
2014-01-12
翌日配達、すなわち「明日来る」から転じた社名で知られる『アスクル』の説明は今さら必要ないでしょう。
オフィス用文房具の宅配からスタートした通販ビジネスは今や飲料水やお茶受け、果ては制服の宅配にまで至り、取り扱い商品は26万点にも及びます。
そのアスクルの代表取締役兼CEOである岩田彰一郎氏が泥臭いほどの顧客第一主義を貫いていることもよく知られていますが、ルーツを辿れば6代前の先祖に当たる岩田惣三郎氏から間接的に得た気付きが「岩田流顧客主義」の原点になっているようです。
岩田家は代々、繊維商社を営んでおり、惣三郎氏は明治の殖産興業期を代表する企業家でした。
しかし彰一郎氏が物心ついた頃の繊維業界はすでに斜陽産業で、家運は傾いていたそうです。
幼かった彰一郎氏はその現実を肌で感じ、子どもながらに企業や経済や時代というものを意識せざるを得なかったのでしょう。
若い頃は岩田家再興を考えたこともあるそうですが、いつしか「何か価値あるものを社会に残したい」と考えるようになったと言います。
21世紀の始まりであった2001年、仕事始めの朝に彰一郎氏は年頭の挨拶でこう切り出しました。
「21世紀を迎えるにあたって22 世紀のアスクルを考えてみたい。100年後、もしアスクルが生き残っていたとしても業態やビジネスモデルはまるで今とは異なり、まったく別の会社になっているだろう。だが、唯一“お客様のために進化する”経営理念だけは不変なはずだ」。
「明日」を見ているアスクルは、同時に「100年後」も見ているようです。
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