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報徳の人「二宮金次郎」から学ぶ
2014-01-13
薪を背負い書を読む姿の銅像で知られる二宮金次郎は1787年、現在の神奈川県小田原市で農家の長男として生まれました。
裕福で教育熱心な家庭でしたが、洪水被害で田畑を失い一家は困窮。
苦労の果てに両親は相次いで他界し、15歳にして一家離散の憂き目を見ます。
親戚に引き取られた金次郎は一家再興を誓い、捨ててあった苗を植えて籾を収穫するなどしてコツコツと財を築くと19歳で父の土地を買い戻します。
その後も奉公や勉学に励み、その手腕を買われて財政悪化にあえぐ農村の復興を請け負うようになります。
金次郎の財政再建手法は「仕法」と呼ばれ、「勤労」「分度」「推譲(すいじょう)」の3つの原理から成ります。
知恵を絞り効率的に収入を得る勤労、自分の収入を把握し一定の余剰を残して支出の限度を設ける分度、余剰を蓄えたり子孫や他人に譲ることを推譲としました。
分度による支出管理、勤労による収入アップ、そこから生じる余剰を次なる生産に活かす推譲のサイクルは、現代の経営手法である「PDCAサイクル」にも通じる合理的なものでした。
同時に金次郎は困窮者に余った金を貸し出し、相互に救済する信用組合の原型も編み出しています。
徳によって人を動かし経済と社会貢献の両立を目指した金次郎の報徳の精神は、渋沢栄一や松下幸之助、土光敏夫など多くの経営者に影響を与え今に至ります。
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