岡山の税理士のウェブログ

都市部相続税の乱

2013-10-05

◆ 基礎控除引下げで相続税納税者急増予測

平成27年から相続税の基礎控除が引上げられることになりましたが、その改正理由は相続税の課税割合が4.2%では低すぎる、ということでした。

ここ30年くらいの期間において最高だったのは昭和62年の7.9%でした。基礎控除の引下水準は課税割合6%のころを照準としているようです。

今次の基礎控除引下げで課税割合は8%に達するのではないかとの見方もあります。

◆ 地域によるバラつき

直近公表の平成23年分相続税課税割合統計値を見ると、全国平均は4.1%ながら、各国税局は、札幌1.8%、仙台1.6%、関信越3.8%、金沢3.2%、名古屋5.9%、大阪4.5%、広島3.1%、高松3.0%、沖縄3.1%、(福岡・熊本国税局は公表なし)であるのに対して東京国税局は6.9%で、頭一つ抜き出ています。

◆ 絶対数を踏まえた統計値

全国平均は死亡者数1,253,066人、申告数51,409件を表現したもので、うち東京国税局は死亡者数237,716人(全国比19.0%)申告数16,317件(全国比31.7%)です。

東京国税局管轄分についての相続税の課税価格は39,910億円(全国比37.2%)、相続税額は5,772億円(全国比46.1%)です。

東京国税局管内の死亡者は全国の約2割、相続税申告数の約3分の1、相続財産の4割弱、相続税額の半分近くを占め、人と富が集中していることを示しています。

全国平均課税割合が8%にでもなったら、都市部の納税者数は3倍くらいに膨れそうです。



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