岡山の税理士のウェブログ

統計データと平均値

2013-10-24

統計を取るのは、実態を調査し、調査結果から母集団の何らかの特徴や問題を発見し、それに対して何らかの策を講じるためです。

ところが、平均値だけにとらわれると、取るべき策を誤ることがあります。

簡単な例を出せば、学校の期末テストでは必ずクラスの平均点が算出されます。

生徒にとっては、平均点は自分の点数との比較対象という個人的な問題のために使われます。

一方、教師にとっては、テストの結果は自身の授業の成果を測る指標になります。

30人クラスのA、Bで同じテストをしたところ、どちらのクラスの平均点も 50点であり、点数分布は次の通りであったとします。

A:40点=5人、50点=20人、60点=5人

B:20点=5人、30点=10人、70 点=10 人、80点=5人

平均点が同じなので、クラス A・Bの教師の授業の成果は同じであった、と結論づけることはできません。

Bクラスの教師の授業はいい加減で、たまたま塾に通っていた生徒が高得点を挙げただけかもしれません。

あるいは、Bクラスの教師は、宿題を忘れた生徒を授業に参加させていなかったために、授業を満足に受けられなかった生徒の点数が低かったのかもしれません。

こうした事実は平均点だけでなく、得点分布にも目を向けなければ考えつかないでしょう。

マーケティングや人事の分野では、顧客満足度調査、従業員満足度調査など様々な調査を実施して統計データを蓄積しています。

こうした統計も、平均だけに注目せず、データのばらつきに着目することが実態をより正確に把握するために重要といえます。



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