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最強のふたり
2013-08-16
実話を元にした映画は、ちょっとずるいと思うことがありませんか。「この作品を観て感動しない人なんているのだろうか?」という匂いがプンプンしています。
そのためテレビや新聞などで「感動すること間違いなし!」と宣伝されると、少し身構えてしまう自分がいます。
でも、この作品には負けました。かなり悲惨な状況なのにクスリと笑ってしまうくらいのユーモアがそこかしこに効いているからです。
事故で首から下が麻痺となり、車いす生活を送る富豪フィリップ(フランソワ・クリュゼ)。
同情されることにウンザリし、どんな介護者も気に入らない彼が新たに採用したのは、面接で不採用になって生活保護手当をもらうことが目的だった黒人青年ドリス(オマール・シー)。
洗練された会話を好み豪邸に住んでショパンを愛するフィリップと、下ネタとブラックジョークが大好き、スラム出身でクール&ザ・ギャングの曲でのりまくるドリスはすべてにおいて真逆でした。
お金もなく母とは不仲のドリスは、弟が悪の世界に落ちていくのをどうすることもできません。
また彼自身、介護者としての自覚もまったくありません。
フィリップが全身麻痺だということも忘れて、「電話だ」と携帯電話を平然と差し出したり、食事を口に運びながら美女に見惚れてしまいスプーンをフィリップの頬に押しつけたり。
それどころか「実験」と称してフィリップの足に熱湯をかける始末です。
二人の常識はまったく相容れないものなのですが、小さな衝突を繰り返すたびにお互いを少しずつ受け入れていくようになります。
フィリップは自分のことを病人としてではなく、「一人の人間」として扱ってくれるドリスと次第に親しくなり、そして彼らの人生はそれぞれよい方へと変化していきます。
誰かと出会うことにより、お互いにとってよい方向に進むことができる。
だから、どんな出会いも素晴らしい。笑って笑って夢中になって観ていると、いつしか涙を浮かべている自分に気付きました。
「人はこんなにも強くなれる。そして、努力すれば変わることができる。自分は何もできないと思うことが何と傲慢だったことか!」そう心から思える作品です。
2011年のフランス年間興収で、『ハリー・ポッターと死の秘宝PART2』『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』といった並み居る大作を押さえ堂々の1位を記録。第24回東京国際映画祭でも史上初の3冠を獲得。
アメリカでも同年の外国映画興収1位を記録し、早くもハリウッドリメイクが決定しました。
日本国内において長らくフランス映画の観客動員数トップに君臨していた『アメリ』の記録も見事に追い抜きました。
泣いたり笑ったりできるヒューマンドラマの感動作品です。
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