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論理的かつユーモラス!きわめて優れた介護体験記
2018-05-13
【タイトル】:母さん、ごめん。50代独身男の介護奮闘記
【著者】:松浦晋也
著者は科学ジャーナリスト。
認知症の母親を介護した2年半の苦闘をつづったのが本書です。
母親の症状、自分の感情、家庭内で起きた大小のトラブル、介護のプロによるさまざまなサポートについて率直に書いています。
幻覚を経験するほど精神的にも肉体的にも大変な日々を客観的な視点を忘れず、ユーモアを交えながら書いているのはさすがジャーナリスト。
「我々の社会は、誰が悪いということはなく、全員が一蓮托生なのだ」。
後半に出てくるこの言葉が理想論ではなく論理に基づく結論であることは科学的な観点から説明されています。
介護に関係ない人もぜひ読んでほしい一冊です。
何の知識もないまま介護を始めたら、おそらく多くの人が著者と同じような困惑と失敗を経験することになるでしょう。
家族の愛情や努力だけではどうにもならないことを教えてくれる介護の啓蒙書としては非常に秀逸です。
ポピュリズムがなぜ危険かを統計学的に解説している部分は感動的でさえありました。
人間は協力したから生き延びてこられた。
そう思います。
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