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ものは言いようの「言葉の翻訳力」
2017-05-24
「言葉の翻訳力」といっても外国語を日本語に訳すことではありません。
今回は、日本語から日本語への言葉の言い換え・書き換えについて考えてみましょう。
「難解な言葉を易しく」「カタカナ言葉を漢字や平仮名に」「マイナスな表現をプラスに」。
このように日常のあらゆる場面で「人に思いを伝える」ために、私たちは言葉を言い換えたり、書き換えたりして最適な言葉を選んでいるのです。
私は仕事柄、難解な言葉や専門用語を易しく書き換える作業をすることが多いです。
仕事そのもの以外に、仕事の前段階やフォローの場面でも、相手との関係を円滑にするためにメールや会話の言葉遣いには気を使います。
例えば、久しぶりに会ったお客さまのルックスが少しふっくらしていた場合、「ちょっと太りましたか?」とは言わず「貫禄がつきましたね」と言います。
第三者を言い表すときも「あのよく太った人」とは言ったり書いたりせず、「ふくよかな方」とか「かっぷくのいい男性」のような表現を使います。
男女とも「太った」という表現は、言われてあまりうれしい言葉でないため直接的な表現は避け、ほかの言葉に言い換えるのです(ただし、女性の場合は気付いても口に出したりはしません)。
「変わっていますね」と言ったり書いたりするより、「珍しいですね」「個性的ですね」と表現します。
相手の特異な部分を挙げつらって変わり者扱いするより、特徴のある点を個性として言い表すようにすれば、相手も嫌な気持ちにならないからです。
また「迷惑です」より「困ります」の方が、相手に訴える力は強くなります。
なぜなら相手の行為を非難するより、その行為によりもたらされた自分の気持ちを吐露する方が相手の心に響くからです。
本音を言い合える懇意な相手はありがたい存在ですが、ビジネスの場ではあからさまに本音を言ってしまうと、場の雰囲気を壊し嫌悪なムードに変わってしまうことが多くあります。
ものは言いようです。相手を不快にさせない表現力を磨くことも「翻訳力」のひとつではないでしょうか。
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