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平成28年税制改正~加算税制度の二つの見直し
2016-10-12
◆ 強化される法定調書制度と加算税制度
「最近、税務調査がこないな…」と感じられている経営者の方は多いのではないでしょうか。
国税庁が公表している法人税の実地調査件数は、平成1年事務年度には14.3万件でしたが、最近は10万件を切り、平成26事務年度では9.5万件となっています。
これは、平成23年に国税通則法が改正され、税務調査手続が法整備されたこと(事前通知の法定化等)が少なからず影響を与えているものと考えられます。
その一方で、近年、国税当局は、法定調書制度を拡充(国外財産調書・財産債務調書)し、財産情報の収集を強化しています。
これら調書に記載のあるものは加算税5%軽課したり、記載がないものは5%重課したりと、調書制度と加算税制度のリンクも図っています。
◆ 加算税は申告と納付に係るものが2種類
国税には「附帯税」というものが6つあります(延滞税・利子税・過少申告加算税・無申告加算税・不納付加算税・重加算税)。
このうち、加算税は、申告に関するもの(過少申告加算税・無申告加算税)と納付に関するもの(不納付加算税)の二つがあります。
申告・納付について「隠ぺい・仮装」がある場合には、これらの加算税に代えて、重加算税が課せられます。
◆ 平成28年改正で加算税二つの見直し
平成28年税制改正では、申告に関連する加算税について二つの見直しが行われました。
一つは「事前通知」から「更正予知」までの期間についての加算税の割合の見直しです。
現行法では、調査の事前通知を行った直後にその納税者が多額の修正申告を行い、加算税賦課を回避する余地があるため、この改正が行われました。
もう一つは、過去5年以内に加算税・重加算税を賦課された者が、再び無申告等を行った場合には、加算税を10%加重するというものです。
調査が少なくなったとはいえ、短期間に無申告等が繰り返される場合には、厳しく対処するというものです。
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