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高次脳機能障害を持つ女性医師に学ぶ生きる力
2016-07-09
【書籍タイトル】:壊れた脳 生存する知
【著者】:山田規畝子
「時計で4時と8時を見間違える。階段が上りか下りか分からない。本を読んでも次に読むべき行が右か左か迷ってしまう。少し前のことも覚えていられない」。
脳出血の後遺症としてこうした認知機能の障害(高次脳機能障害)を抱えた女性医師が自らの体験をつづったのが本書です。
著者は脳の病気を抱えながら医師、妻、母になり、高次脳機能障害を患った後も仕事に復帰しました。
そのバイタリティーや客観性、好奇心、持ち前のユーモアが文章にじみ出ています。
さまざまな失敗から導き出した「どんな脳でも必ず何かを学習する」という著者の確信は力強い。
人間の不思議に関心のある方におすすめです。
著者は障害により以前の自分が失われたことを嘆き続けるのではなく、原因を追究して付き合い方を学んでいます。
そして「できない自分」と折り合いをつけられるようになり、手探りで新たな世界を再構築していきます。
脳の力、生物としての人間本来の力を信じて自分で扉を開ける。
障害の有無に関わらず、これが自分を生かす生き方と気付かせてくれた一冊です。
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