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岡山の税理士のウェブログ

希望も苦しみももたらす「選択」とは何か

2016-06-18

【書籍タイトル】:選択の科学

【著者】:シーナ・アイエンガー

コロンビア大学ビジネススクール教授である著者が、心理学の研究や自らの経験などを材料に「選択」を多角的に論じた本です。

両親はインド出身のシーク教徒、幼い頃に父親が死去、高校に入る頃に眼病で失明するという生い立ちを背負った著者は米国の学校で「自分のことを自分で決めることは当たり前で望ましいもの」と教わり、将来に希望を見いだしたそうです。

本書は単に選択を礼賛するのではなく、選択は生物の本能であるとする一方で、選択することで生まれる苦しみや選択肢が多すぎると選択できないなどの問題についても議論しています。

300ページを超える長さで難解なところや翻訳本であるがゆえの読みにくさもありますが、多彩な内容で飽きさせません。

結婚相手は自分で決めるか家族にまかせるか。

ペプシかコカ・コーラか。

ジャケットは何色にするか。

病気の治療法はどちらにするべきか。

選択には実は個人を超えて歴史や文化、企業、不安などさまざまな要素が関わっていることに気付かされました。

選択という切り口で人間を研究した興味深い一冊です。



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