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『アリスのままで』~2014年アメリカ映画

2016-06-12

すべての幸せを手に入れたはずだったのに、どんどん大切なものを失ってしまう。

そうなったらあなたはどう行動しますか?

これは今の自分を厳しく問いただされているような作品です。

高名な言語学者でニューヨークのコロンビア大学教授のアリス(ジュリアン・ムーア)は、夫(アレック・ボールドウィン)、法科大学を卒業した長女・アナ(ケイト・ボスワース)とその夫(シェーン・マクレー)、医学院生の長男(ハンター・パリッシュ)に囲まれて50歳の誕生日を迎えます。

気掛かりだったのは、女優志望の次女・リディア(クリステン・スチュワート)がオーディションを理由に祝いの席にこなかったことだけでした。

キャリアと家庭、すべてを手に入れて人生が充実しているアリスはある日、大学の講義中に言葉が思い出せなくなります。

そのときは単なる物忘れだと気にしませんでしたが、日課のジョギング中に自宅への帰り道が分からなくなってしまいました。

彼女は若年性アルツハイマー病と宣告されても、気丈に記憶を保とうとさまざまな努力をします。

しかし、病気の進行は止まりません。

しかも遺伝性だったため、彼女の子どもたちの人生にも影を落としていきます。

言語学者である自分が言葉を操れなくなる恐怖。

どんどんこぼれ落ちていく記憶。

私たち観客はアリスの視点で作品を見ているので、おびえるアリスの心境が嫌というほど克明に伝わってきます。

心が震え、せつなくなってしまうのです。

ジュリアン・ムーアがアカデミー賞主演女優賞を獲得した本作は、ゴールデングローブ賞、英国アカデミー賞も制覇しました。

女優史上初となる世界三大映画祭の主演女優賞を手にした感動作です。

ラストはハッピーエンドではないけれど決して後味は悪くありません。

たとえすべてを失っても、必ず手のひらの上には何か大切なものが残っていると実感できることでしょう。

今、さまざまな問題に直面し、悩んでいる方には特におすすめいたします。

キューンと胸が熱くなって、涙、涙、涙です。



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