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明治・大正期の稀有な実業家から学ぶもの
2016-04-17
【書籍タイトル】:人民は弱し 官吏は強し
【著者】: 星新一
超短編SF小説の名手と知られる著者が、父親で明治時代に製薬会社を興した実業家・星一(ほしはじめ)氏の人生を描きました。
12年のアメリカ留学を終えて日本に戻った一氏は湿布薬の販売で成功し、新規事業として医療用モルヒネの製造に乗り出しました。
事業が軌道に乗ったかというところで、一氏の成功に嫉妬やいら立ちを募らせた同業者や役人が足を引っ張ろうと動き出します。
両者の戦いの行方は本書でぜひ!
明治・大正期にアメリカ仕込みの合理主義と楽天的な性格で事業を開拓した稀有な実業家から学べる貴重な一冊です。
著者にしては珍しく長編を書いており、主人公は父親でしかも野口英世と交流があったらしい。
そう聞いて本書を読み始めましたが一氏が平成の実業家だったとしても違和感がないほど先進的だったこと、新しいやり方で成功した一氏への嫉妬の凄まじさ、それにくじけない一氏の胆力に強い衝撃を受けました。
公明正大であったがゆえに足をすくわれる一氏に胸が痛むと同時に歯がゆさも覚えます。
古さを感じさせない文体にも驚きです。
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