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口に苦し、大海の一滴
2016-02-27
あるとき弊社の事業について「ご提案をしたい」というメールをいただいた方が、相手の方の指定の場所まで出掛けて行きました。
お話しとしては大変景気のよいもので、話しの端々に「高級」とか「価値をあげる」とか「たくさんのメリット」などというキーワードがちりばめられています。
自分がいかに儲かっているか、それを先生にもシェアしたい・・・ということをとうとうとおっしゃっています。
ただ、彼が指定した打ち合わせの場所は、どんな駅にも必ず1軒はありそうなチェーン店のコーヒーショップ。
ひっきりなしに人が行き交い、ひじがぶつかるほど狭いテーブルの間では、彼の大きな声は周囲に丸聞こえ。
小さなテーブルの上に彼が広げたパソコンのモニター画面を隣の席の人がチラチラと見ています。
お友達との待ち合わせならともかく、会社の名前や「自分の知っているエライ人の名前」を声に出して説明したいのなら、なぜ他の人に聞こえないような会議室を使用しなかったのかしら、と不思議に思いました。
もちろん、私も仕事を始めたばかりの頃は、ちゃんとした事務所があった訳ではありませんし、今でも出先のお店を利用することはあります。
でもそういう打ち合わせのときには、せめてきちんとした背もたれのあるシートの喫茶店やホテルのラウンジといった、席が離れていて落ち着く空間のお店を選びました。
今回お目にかかった方は、言葉とプレゼンについては大変立派でしたが、どれだけ「ビジネスのチャンスがある」と言われても、今の状態は「コーヒーショップ、250円のブレンド」なのは想像できます。
「一滴舌上に通じて、大海の塩味を知る」。
大海の一滴は、深く培煎されたエスプレッソのように口に苦いものだと感じた出来事でした。
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