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若い女性が「身をもって」老人を体験した3年間の記録
2016-01-10
【書籍タイトル】:変装 私は3年間老人だった
【著者】:パット・ムーア
「年をとるということはどういうことなのか」を知ろうと、工業デザイナーである米国人女性の著者が初めて老人に変装したのは1979年、26歳のときでした。
それから著者は週に1回、3年にわたって80歳くらいの老人に変装し、街でさまざまな人と交流します。
そのときの経験をまとめたのが本書です。
老人として経験した心の交流や人々からの扱い、犯罪被害を語るだけでなく、変装の苦労や二重生活のストレス、葛藤など裏話も率直につづられているのも本書の魅力。
原書の出版は1985年と古いですが、今の日本が当時の米国と同じような状況にあるのでしょうか、古さを感じさせません。
老人と呼ばれる年齢の人が「自分が年寄りとは思えない」と言うのを何度も聞いたことがあります。
年を重ねるということは、それほど実感しにくいことなのでしょう。
ところが本書を読むと、80歳に扮した著者に自分を重ね合わせて喜んだり悲しんだりしてしまうから不思議。
年をとることを自分事として考えると、過度の「お年寄り扱い」はあまり嬉しくないのかも?と思いました。
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