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今こそ求められる、人生を支える国語指導法とは
2015-09-14
【タイトル】:奇跡の教室 エチ先生と『銀の匙』の子どもたち
【著者】:伊藤氏貴(文芸評論家)
【出版社名】:小学館
今や多くの東大合格者を輩出することで知られる灘中学校・灘高校。
昭和9年に21歳で国語教師として赴任したエチ先生こと橋本武氏は戦後、中勘助著『銀の匙』を中学3年間をかけて読むという指導法を30年にわたって実践しました。
横道にそれることが目的の授業で、生徒は物語の主人公と同じように駄菓子を食べたり凧を上げたり暦の歴史を学んだりしたそうです。
本書は橋本氏と教え子のインタビューに基づいて当時の授業の様子を紹介しつつ、この授業に影響を受けた教え子たちの現在を伝えています。
先生と生徒の時空を超えた心のつながりが胸を打ちます。
橋本氏が本当の学力とは何か、いかに育むかを厳しく問い続けたことがよく伝わってきました。
本書では「東大合格者数日本一」が強調されていますが、真剣な教師と生徒の姿に「東大」の文字も霞んで見えます。
働きながら学問を続け、漢字の大家と出会い、無名だった灘校に赴任した橋本氏の人生は運命に導かれたようでした。
文集に掲載されたという橋本氏の「編集後記」は感動ものです。
ぜひ読んでください!
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