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社長に言いたい社員のホンネ

2015-06-14

朝礼で経営理念の「思いやり」を説く社長に向かって、「社内で一番思いやりがないのは社長だよ」と心の中で毒づく社員。

その本音は「難しいことはいいから、まずは社員から尊敬される社長でいてほしい」。

口先だけのねぎらいなど社員はすぐに見破ります。

立派な態度で正論をぶっても行動が伴っていなければ、社長という立場ゆえに余計見下されてしまうでしょう。

いくら雇用関係とはいえ、尊敬できない人のために頑張ろうとはなかなか思えないものです。

儒学の教えである「五常の徳」(仁義礼智信)のなかで孔子が唱えたのは「仁」と「礼」、すなわち「真心」と「礼儀礼節」でした。

「人を使う立場にいながら寛大な心がなく、礼儀作法に従いながら尊敬の心がなく、葬儀に参列していながら哀悼の心がない。

そんな、心の伴わない上辺だけの人間には何の美点もない」と説いた孔子にとって「心」と「言葉」と「行動」は三位一体の切り離せないものであり、とりわけ「心」が肝心だったようです。

心は外からのぞけません。だからこそ人生の最重要課題は「心を鍛えること」だとされています。

「心」と「言葉」と「行動」の三者をいかに過不足なく一体化させるか。

孔子が終生その問題を追及したのは、人を導くリーダーにとって何よりも大切なものは品位であるという考えからでしょう。

社会の中で自らの分をわきまえ、誠実になすべきことをなし、自分ではどうにもならないこと、例えば立場や状況や能力の限界といった宿命的なものは潔く受け入れる。

孔子のいう「品位」とは、こうした「生き方」のことではないでしょうか。

メジャーリーグのオファーを蹴って古巣のユニホームを選んだあの黒田投手が多くのファンに愛されるのは「20億円より4億円」というお金の話ではなく、彼の心と言葉と行動が三位一体だからでしょう。

いつの時代も「真心と礼儀礼節を持って事にあたり尊敬されるリーダー」を待ち望んでいるのではないでしょうか。



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