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生涯在野の碩学(せきがく)~南方熊楠から学ぶ

2015-05-14

森羅万象あらゆることに興味を抱き「知の巨人」と呼ばれる南方熊楠(みなかたくまぐす)は、1867年に和歌山県和歌山市に生まれました。

幼い頃から書物を貪り読み、動植物採集に夢中でした。

旺盛な知識欲は学校の勉強だけでは満たされず、友人宅や書店で書物の内容を記憶しては自宅で書き写していたそうです。

17歳で東京大学予備門に入学しますが好奇心は学校の枠には収まらず19歳で退学、父にせがんでアメリカへと留学します。

その後、25歳でロンドンに渡り33歳で帰国するまで組織などに属することなく、粘菌や植物の採集をしながら博物館や図書館に通い独学で知識を吸収したのでした。

帰国後は地元の熊野一帯の山中で足掛け3年にも及ぶフィールドワークを行ない、昼は菌類の採集や整理、夜は研究や執筆活動という日々を送り37歳で田辺に定住して家庭を持ちます。

田辺での熊楠は、明治政府が推進した神社合祀への反対運動でも知られています。

多様な生態系の宝庫である神社境内の鎮守の森、その木々が合祀の名の下に伐採されることに危惧を覚えたのです。

森の保水力が失われ、水害や生態系の変化による農業への影響までも指摘した熊楠は、日本で初めて「エコロジー」という言葉を用いたといわれています。

今なお解明途上という熊楠の研究は、現代の私たちにも様々な示唆を与えてくれるのです。



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