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岡山の税理士のウェブログ

うっかり使ってしまう同じ意味の言葉に要注意

2015-04-19

「できる限りのベストを尽くすつもりでおります」という意思表明の一文を見て「あれ?」と思いませんか。

「ベストを尽くす」とは、最善を尽くすとか目的のために力をすべて出し切ることを意味する言葉です。

そうすると「できる限りのベストを尽くす」は、最大限にベストを尽くす意味合いとなり、いわゆる「重言」となります。

「ベスト」を使ったよくある重言に「一番ベストな」があります。

「全力でベストを尽くす」というのも重言といってよいでしょう。

「全力」と「ベスト」は同じ意味になるので「全力を尽くす」か、「ベストを尽くす」とします。

このように重言は、会話で使うとあまり気付きませんが、書いて読み返してみると意味の重複に気付くことがあります。

「エレベーターで上に上がる」と言ったりしますが、実はこれも重言です。

上の方へ移動することが「上がる」なので、「上がる」の前に「上に」とか「上へ」は要りませんね。

「下に下がる」も下の方へ移動することを指す言葉なので、「上に上がる」と同様に「下がる」の前に「下に」「下へ」は不要です。

「エレベーターで上に上がる(下に下がる)」は「エレベーターで上がる(下がる)」ですが、「上に上がる(下に下がる)」の「上」「下」の代わりに「2階に上がる(下がる)」のように具体的に表してもいいですね。

また、「注目を集める」も重言のひとつです。

「注目」は、関心や興味があることに意識を集める意味ですから、「注目」という言葉の中に「集める」という意味も含まれています。

したがって「注目される」「注目の的になる」とか「評判になる」という表現に言い換えましょう。

その他には「今現在」「はっきりと明示する」なども重言です。

会話の場合は、重言だと分かってもその場の雰囲気で聞き流すこともありますが、メールに書かれた文字は残ります。

そのため言葉の重複がないか、もう一度読み返すなどチェックすることを心掛けましょう。

一番怖いのは、重言を無意識に使っていて自分で気付かないこと、誰にも指摘されないことです。



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